日本人が大好きなマグロ。私ももちろん大好きです。
そのマグロですけれども、ここ10年以上、初競の時に誰がいくらで競り落としたのかが注目を集めていますね。
かつては銀座の老舗のお鮨屋さんだったり、香港の実業家だったりと、競り落とす人はだいたい固定化されてるなあという印象を持ちました。そしてここ最近は、某有名寿司チェーンの社長さんが、なんと2億近い金額で競り落としていますね。
マグロ一匹に2億って…まあ初モノですし、演技を担ぐとか広告宣伝という狙いもあるんでしょうね。
マグロの一本釣りって、『一攫千金』って言われているじゃないですか。釣れる確率ってどれくらいか知ってますか?
その確率0.35%。100人行って1人釣れるかどうか分からない確率なんですよ。
まさに一攫千金の文字がふさわしい確率です。
もちろん漁師さんの中には名人と呼ばれる方がいらっしゃると思いますので、漁師さんによってこの確率というのはバラバラなんでしょうけれども、いくら名人と言えども週に1匹というノルマも難しいのではないでしょうか?それくらい、マグロの一本釣りというのは難しいのです。
今回の逆転人生は、マグロの一本釣りの漁師である竹内薫さんにフォーカスします。
竹内薫さんはマグロブランドで有名な大間ご出身。逆転人生なので、当然竹内薫さんも
波乱万丈の漁師人生を歩んでこられました。
マグロの一本釣りを生業としてきた竹内薫さんは、事故で左腕が不自由になり、一本釣りをする上で致命的なダメージを被ってしまいます。一本釣りを諦めてはえ縄漁を始めますが、その船が火事で全焼してしまいます。
窮地に追い込まれた竹内薫さんですが、ご家族の励ましと不断の決意で、マグロの一本釣りに挑むため一世一代の大勝負に出ます。
勝利の女神は竹内薫さんに微笑んでくれました。
竹内薫さんが釣り上げたマグロは、全長2メートル、重さ202キロ!初競りにて当時の史上最高金額2,000万で競り落とされたのでした。
文章でこのように書けば数分で描き終える内容ですよ。
しかし竹内薫さんやご家族の方々は、正直この一世一代の勝負をどう考えていたのか?そこが注目に値するところだと思います。借金を返すためには、それこそ今までに釣ったことのないような巨大なマグロ、そして初競りでそれがいくらで競り落とされるのか、そんなことは全くの未知数であり、そんな状況下においてマグロに挑戦した竹内薫さんとご家族の決断には、こんな数行の文字では言い表すことの出来ない苦悩と葛藤があったに違いありません。
いつもこの逆転人生を拝見していると感じるんですが、竹内薫さんのように絶望的な状況に陥っても、ご本人を助けてくれる誰かの存在が必ずあり、そしてなんといってもすごいと思うのは、当のご本人が苦悩しながらも前進することを止めないことです。
これは、ネガティブが服を着ているような私にとって、襟を正さなければならない教訓だと思います。
もちろん全ての人が”逆転”するわけではないでしょう。むしろ、逆転出来なくて、その後の人生を送る人々の方が多いのではないでしょうか。
世の中は理不尽で不平等なところです。特に日本はそういった傾向が強いと感じます。しかしそれらを国や社会のせいにばかりしていては、なんの成長もありません。理不尽だからこそ、不平等だけれども、それでもなんとかするんだ、そういう強い信念をこの番組に登場する方々には感じます。そしてそれを見て感動する自分がいます。
まだ未放送である竹内薫さんの逆転人生ですが、竹内薫さんもまた、そういった強い信念のもと、自分やご家族のために闘ったんだろうと思います。きっとお金は後から付いてきたんだと思うんです。もちろん稼ぐための挑戦でしたけどね、挑戦している最中には、きっとお金のことなんて頭になかったのではないでしょうか?頭の中にあったのは、なんとしてでも巨大マグロを釣り上げてみせる、その一点だったのではないでしょうか?その辺りは、是非オンエアを楽しみにしたいですね。
ちなみに竹内薫さんの息子さんである大輔さんは、2013年にこれまた史上最高額となる1億5千万円のマグロを釣り上げることになります。ここまできちゃうと、竹内さん御一家は、マグロに運命付けられた人生を今まで送って来られ、そしてこれからも送られることでしょう。
私にような一般庶民は、竹内薫さんが釣り上げたようなマグロを口にすることは、まあこの先もないとは思うんですけど、マグロに限らず我々が口にする食べ物にはそれを獲ったり育てたりと、生産者の方々のお力のお陰であることは間違いないわけで、日頃から生産者の方々には感謝の気持ちを込めて食事をしなければと思いました。
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