開田宏 救助犬訓練士に未曾有の危機が迫る NHKプロフェッショナル

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直近でもインドネシアでマグニチュード6.2の地震が発生し、生存率が急激に下がると言われる発生から72時間が迫る中、現地では懸命な捜索と救助が続いています。
そのニュース映像にシェパードが捜索隊と行動を共にしているのを見かけましたが、まさにその犬が救助犬です。
昨日1月17日はは阪神・淡路大震災から26年目の日でした。再来月の3月11日には、東日本大震災から10年の月日が経とうとしています。今回のプロフェッショナルでは、このような自然災害等で活躍する救助犬を育てる訓練士の開田宏さんにフォーカスします。

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訓練士と救助犬の種類

そもそも訓練士とはどのような仕事なんでしょうか?まずは訓練士の資格は、技術と経験値によって、次の6つに分けられます。

1.訓練準士補
2.訓練士補
3.訓練練士
4.訓練教士
5.訓練範士
6.訓練師範

また、救助犬はさまざまな分野で活躍しています。

1.家庭犬
2.警察犬
3.盲導犬
4.災害救助犬
5.麻薬探知犬
6.水難救助犬
7.山岳救助犬
8.聴導犬
9.介助犬
10.セラピードッグ

家庭犬まで対象となっているんですね。近年では老人介護施設でセラピードッグが活躍しているニュースを見聞きします。今後も新たな分野で活躍してくれる犬たちが誕生するかもしれませんね。

開田宏 犬を楽しませる

1963年生まれの57歳。高校卒業後警察兼訓練所を経て、1989年、熊本県相良村に人吉警察犬訓練所を設立。警察犬協会公認1等訓練士、シェパード犬登録協会公認訓練師範としてこれまで33年間で、250頭以上の災害救助犬をこの世に送り出しています。東日本大震災、広島土砂災害、熊本地震など250以上の現場に出動。一般的な行方不明者捜索事案にも出動され、多くの行方不明者を発見してきた実績をお持ちです。

災害救助犬と言いますと、前述したようにシェパードのような大型犬を想像してしまいますが、開田宏さん曰く、『東日本大震災や熊本地震の際、狭い場所や高所での捜索に小型犬の必要性を痛感した』と言うことで、全国的にも珍しい2匹のトイプードルを災害救助犬として合格させました。恐らく開田さんのこの動きで、小型犬、が大型犬と共に災害現場で活躍する姿を見ることが多くなりそうです。
引用:https://spice.kumanichi.com/

開田宏 豪雨が襲う

開田宏さんが設立した人吉警察犬訓練所を、2020年7月、熊本豪雨が襲います。
訓練士、犬は無事だったものの、訓練所は水没してしまいます。
しかしながら熊本県警からの出動要請があり、開田さんは『人も犬も無事。出動しない選択肢はない』と豪雨からわずか4日後に出動し、行方不明者のために懸命な捜索活動を行うこととなります。
引用:https://www.sankei.com/region/news/200905/rgn2009050003-n1.html

開田宏 クラウドファウンディング

ヘドロが堆積し、あらゆるものが押し流された人吉警察犬訓練所は壊滅的な被害を受けてしまいます。一方で懸命な搜索活動を行っている開田さんら訓練士と災害救助犬のため、人吉警察犬訓練所の復旧を進めなければなりません。
その復旧を支えたのは、指導士の坂本隆之さんを中心に立ち上げたクラウドファンディングでした。坂本隆之さんは大分で救助犬・嘱託警察犬指導手をしている方で、普段は別のお仕事をされていますが、ここ10年以上、要請があった際にはボランティア活動として災害など現場に出動されています。クラウドファウンディングには目標金額740,000円に対し、全国から330人の支援があり850万円以上の資金が集まりました。
引用:https://readyfor.jp/projects/kyusyu-hitoyoshik-9

開田宏 復旧作業

目標金額を大きく上回る資金が集まったクラウドファウンディングですが、人吉警察犬訓練所の復旧は道半ばです。犬にとって環境が変わるということは、人間以上に大きなストレスになってしまいます。施設を囲うフェンスがないため、小動物の侵入による事故や病気感染の可能性もあります。復旧は少しずつ進んで入るものの、現在の資金で復旧出来る箇所と復旧出来ない箇所が明確になってきたとのこと。現時点での復旧スケジュールは以下のとおりです。

2020年9月まで:訓練所内のがれき撤去・清掃
2020年9月〜12月:フェンス、犬舎修繕、犬の収容。外来訓練再開(1stゴール)
2021年1月〜6月:残りの施設を寄付・自力にて修繕(2ndゴール)

ご覧いただいてお分かりかと思いますが、850万円では復旧完了には届かないことが判明しました。現在クラウドファウンディングは募集していないものの、今後、セカンドゴール完了のためのクラウドファウンディングの実施があるかもしれません。我々人間のために、過酷な災害現場で昼夜を問わず働いてくれた訓練士の皆さんと救助犬のために、1日でも早い復旧を祈るばかりです。

開田宏 プロフェッショナルとは

探究心を忘れちゃいかん。常に犬を見て犬から学んで、そして次はまだないのか?っていうのを自問自答しながら真相に向かっていくのがプロフェッショナルではないのか。
引用:番組より

最後に、開田宏さんからのメッセージを掲載させていただきます。

今回は不測の事態とは言え、犬達と、そして御迷惑及び御心配を御掛けした皆様方に心より御詫び申し上げます。発災以来、再建へ向けて連日、有志達が応援に駆けつけてくれており、犬舎も少しづつでは有りますが被災前の姿を見せつつある状況です。

早く犬達に元の生活をさせてあげたい!

そして訓練の再開を待ちかねて頂いている各指導士の皆様、今しばらくの間、御猶予下さいますよう伏して御願い申し上げます。
引用:https://readyfor.jp/projects/kyusyu-hitoyoshik-9

年々、自然災害による被害は甚大さを増しています。要因はひとつではないでしょうが、我々人間が自分たちのために好き勝手に行ってきた所業が、地球温暖化という具体的な自然破壊を生み、それが近年の自然災害の大きさに拍車を掛けているように思えてなりません。そんな現在、開田宏さんはじめ、訓練士の皆さん、災害救助犬の存在は必要不可欠です。それを念頭に置きつつオンエアをしっかりと見届けましょう。

プロフェッショナル仕事の流儀
人犬一体、山野を駆ける~災害救助犬訓練士・開田宏


放送日時:1月19日(火) 22:30〜

再放送日時:1月26日(火)24:13〜



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