甲府放火事件犯人「問題は実名報道されないことではなく被害者が守られない日本の法制度である」

事件

12日午前3時半ごろ、甲府市の住宅が全焼し、この家に住む井上盛司さんと、妻とみられる2人の遺体が見つかりました。

警察は火事の直前に井上さんの10代の次女を凶器で殴ってけがをさせた疑いで甲府市に住む19歳の少年を逮捕しました。

19歳の犯人の実名報道ばかりが取り沙汰されていますが、それ以上に問題なのは、一夜にして両親を失い、住居も失った、まだ十代の姉妹を守る法律が日本に存在しないことです。

甲府放火事件・犯人の実名報道(追記)

このような未成年による事件が発生すると、必ず匿名掲示板で実名の追求がなされます。

実際、5chや爆サイなどの主だった匿名掲示板で、実名を晒すスレッドが立ち上がっています。そこでは既に、犯人につながるかもしれぬ(もちろん真偽は定かではありませんが)情報が投稿されています。

このように書き込みが散見されます。真偽が定かでない以上、ここで犯人の実名に対しての言及は避けます。もう週刊誌の記者のみなさんが動いているでしょう。近いうちに、19歳の犯人の実名は白日のもとに晒されることになるでしょう。

しかし、殺人事件で一番問題なのは、加害者に対しては、20歳以下であれば少年法が適用され(2022年4月から改正少年法が施行され、罪を犯した18,19歳は「特定少年」として厳罰が適用され、実名報道もされます。)、一定の情状酌量といいますか、刑罰が軽くされる傾向にあります。

そういった現状があるからこそ、実名報道が加熱してしまうのでしょう。

事実、今回のように十代の姉妹から両親の命と住居を奪った19歳の犯人ですが、罪状は、姉に対する傷害容疑です。

泣きながら電話をかけ出頭したというこの犯人ですが、放火の事実も認めているのです。これでも罪状は変わらないのでしょうか。

深夜に他人宅に侵入した点で強盗、姉妹や両親に対して傷害を追わせた点で傷害罪、そして家を放火した点で放火罪が適用されるのが通常でしょう。

しかし現状は「傷害罪」だけです。強盗放火殺人罪ではないのでしょうか。

日本の法律は、あまりにも罪を犯した人間に対して甘すぎます。

新たな情報が入りました。

ご両親二人の死因は、火事による一酸化炭素中毒ではなく、刃物に刺されたことによる失血死だと判明しました。

犯人が刃物を持参していたことは既出ニュースで明らかになっていましたが、これで犯人の殺害計画は実行されたことが証明されたわけで、「明確な殺意があった」ことは否めません。

警察は罪状を、すぐにでも傷害罪から殺人容疑に切り替えるべきでしょう。19歳だからといって、犯行内容が変わるはずもなく、当然のことと考えます。

茨城県境町の住宅で2019年、夫婦が殺害され、子供2人が重軽傷を負った事件で、茨城県警は7日、三郷市の岡庭由征(おかにわよしゆき)容疑者(26)が逮捕されました。

岡庭由征容疑者は、十代のころ、女子中学生複数人に対し傷害を与えた罪で逮捕されています。しかし、やはり十代ということで釈放されます。

その挙げ句、2019年に茨城一家殺傷事件の犯人にしてしまったのです。

今回の強盗放火殺人事件の19歳の犯人は、刃物や放火のための油を用意するなど、犯行は計画的であり、極めて残忍であります。この犯人を、第二の岡庭由征容疑者にしてはなりません。

こんな人間の生活を支えるために、国民は納税しているのではありません。怒りがこみ上げてきます。

甲府放火事件「被害者の現在と将来が守られない現実」

犯人が未成年で実名報道がされないということで、そればかりに世間の耳目が集まっているのが現状です。これは前段でも記述した理由から仕方のないことだと思います。

しかし一番問題なのは、今回一夜にして両親と住居を失った十代の姉妹が、何からも守られることなく、これからの長い人生を、深い悲しみを背負いながら歩まなければならないことです。

奪われた両親の命は、どんなことがあっても戻っては来ません。消失した住居に関しても、加害者ではなく、被害者が加入している火災保険が適用されるのです。こんな理不尽なことが許されていいのでしょうか。

犯人の実名がSNS上で飛び交っています。それは、この十代の姉妹にも飛び火します。加害者のプライバシーなどどうでもいいと個人的には思ってしまいますが、被害者のプライバシーまで明るみに出るのはいかがなものでしょうか。

しかし、そのような動きも止めることは出来ません。

私も偉そうなことを述べていますが、被害者の記事を書いてきたことも事実であります。

世間は、被害者に同情する一方で、加害者と等しく、そのプライバシーに関して同じ関心を寄せているのは、紛れもない事実なのです。

甲府放火事件「犯人には極刑を・しかしハードルは高い」

匿名掲示板やヤフーコメントを見ますと、未成年であるこの19歳の犯人には極刑が妥当だという意見が大半を締めています。

二人の命を身勝手な理由で奪っているのです。私も極刑が望ましいと思います。

しかし、この犯人を極刑にするには、現在の日本の司法制度のもとでは、あまりにもハードルが高いと思われます。

掲示板を見て引き合いに出されている過去の事件があります。

「光市母子殺害事件」です。

この事件は1999年4月に発生した、当時18歳だった福田孝行死刑囚による殺人・強姦致死・窃盗事件です。

この事件の被害者は、主婦(当時23歳)と長女(生後11か月)です。

ご主人は深い悲しみのどん底にいながらも、日本の司法と闘い続け、犯人の極刑を勝ち取ります。

しかし、それに要した月日は実に13年。

ご主人は事件当時20代前半だったにも関わらず、具体的に行動に移し、世間に「被害者も救われなければならない」と訴え続けた末の勝利だったのです。

甲府放火事件「被害者遺族のための法整備が急がれる」

しかし裁判に勝利して犯人の極刑が確定しても、姉妹のご両親は帰っては来ません。

被害者はどんな形であれ、「救われることはない」のです。

幸いにも生き残った二人の姉妹が、光市母子殺害事件のように、日本の司法制度に訴え、犯人を極刑にすることが出来るのか。

姉妹は今、絶望の淵にいることでしょう。奪われた命は二度と帰っては来ません。だからこそ、被害者遺族へのケアが重要になってくるのです。

犯人の極刑を確定させることも重要でしょう。しかし、それを行うためには、まずは姉妹の精神的ケアを十分にやっていただきたいということ。それでも普通の状態に戻るかどうかは分かりません。

だからこそ、被害者遺族を「救う」ための法整備が必要不可欠だと思います。

甲府放火事件概要

甲府市の住宅が燃え、50代の夫婦とみられる2人の遺体が見つかった事件で、遺体に刺し傷のような痕があったことが分かりました。

12日午前3時半ごろ、甲府市の住宅が全焼し、この家に住む井上盛司さんと、妻とみられる2人の遺体が見つかりました。

警察は火事の直前に井上さんの10代の次女を凶器で殴ってけがをさせた疑いで甲府市に住む19歳の少年を逮捕しました。

その後の捜査関係者への取材で、焼け跡から見つかった遺体には刺し傷のような痕があったことが新たに分かりました。

少年は逃走後、山梨県身延町の駐在所に「人を殺してしまった」と出頭していて、警察は面識があった長女との関係や動機について調べています。



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