足の動きだけで大団円を迎えた連続テレビ小説、エールにあっぱれを送りたい

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自分はNHKで毎朝放送されている朝の連続テレビ小説というものには全く興味がなく、
かつて浪人していた時にひと作品見ただけでした。

しかし100作目のヒロインが広瀬すずちゃんということで、バツイチおっさんは予習から始めようと、その前作、つまりは99作目の『まんぷく』から見始めました。それ以来、会社から帰ってきたら、まずは録画しておいたドラマを見ることがルーチンになってたんです。それは今も続いています。

100作目の『なつぞら』も広瀬すずちゃん主演ということを差し引いても良い作品でしたし、戸田恵梨香さんがヒロインとなった101作目の『スカーレット』もとても良かった。そして102作目、今作の『エール』になりますね。私は初めて何とかロスというのを感じてしまいましたよ。

初めて感じたドラマロス

今回のエールは、作曲家古関 裕而氏の生涯を描くものでした。本音を言わせていただくと、あまり期待していなかったんですよ、前3作に比べたら。もちろんこれはあくまで私見ですからね。男性が主役だったからなのか、いや、そんなことはどうでもいいことなんで省きますけど…

それでもこの作品を見終えて、エールロスっていうんですか?心の中にちょっとした穴ができたような気がします。それはこの作品が視聴者に訴える力を持っていた証みたいなものであって、私がいかにものを見る目がないことを証明したようなもんです、はい…

コロナ禍で世界情勢が大混乱に陥ったり、ドラマのキャストである志村けんさんがそのコロナにより逝去されるという不幸があったりと、このエールの関係者は今まで経験したことのない状況下おいて、必死にもがき苦しまれたに違いありません。特に志村けんさんが逝去されたことは、エールだけではなく、日本にとって大きな損失でしたね。

エールの撮影期間は、2.5ヶ月の撮影中断時期を含めて約1年間の長丁場になりました。このコロナ禍で1年間、ドラマ制作へのモチベーションを保ち続けるのは至難の業だったことでしょう。それでも最後までやり遂げてくださったキャストと製作陣の皆さんには感謝の言葉しかありません。

今日11月27日に、NHKホールでキャスト出演によるコンサートで幕を引くという異例の最終回でしたが、SNSではそのコンサートの内容でかなり盛り上がっていますね。私もとても感動しましたし楽しませてもらいました。でも私は本編の最終回、つまり11月26日放送分に敢えて言及したいと思います。

足の動きだけで感動させる演出の妙

2.5ヶ月のブランクがあったため、展開が途中からとんでもなく早くなってしまって、いつの間にか古山音さん(二階堂ふみさん)が乳がんで余命幾ばくもないような設定になっていたんですね。あちゃ〜、これは音さんを見送らなければいけないのか…と思いながら見てたんです。

でもそれは杞憂に終わりました。


か細い声で海が見たい、また貴方と歌いたい…という音さんの希望に応え、夫の古山裕一(窪田正孝さん)は彼女を支えながら窓辺に向かいます。そこで音さんの足だけがズームアップされ、はじめはおぼつかいない足取りが徐々に軽やかになっていく…そして真っ青な空の下、きれいな浜辺で彼ら夫婦はお互いに感謝の言葉を掛け合います。

誰もが音さんが亡くなる場面を想像したに違いありません。それをいい意味であしらってくれたこの演出と、足だけの演技で我々を感動させてくれた二階堂ふみさんには大あっぱれ!ですね。このシーンだけで、それまでの3作品をはるかに凌駕してしまったというのが私の感想です。

ちなみにこのシーン、バツイチおっさんには羨ましい限りでした。お互いを尊敬しあえる夫婦、なんて素晴らしいんでしょう!

エールを送りたい!

前述しましたが、このコロナ禍において、エールという名のドラマが放映されたこと、そのコロナによってキャストである志村けんさんを失ったこと、そして制作中断、再開とドラマの内容だけではなく、その制作プロセスにも大きな意義があったと思います。

NHKとドラマに関わった全ての人達に感謝とエールを送りたいと思います。

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