10月6日に、米ロックバンド、ヴァン・ヘイレンのギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレン氏が65歳という若さで亡くなった。自分も追悼記事で触れたが、ギターを少々かじっていたので存在自体はもちろん知っていたし、曲もキャッチーなものが多いためか、日本のCMや番組内でも使われる頻度が高く、『この曲聴いたことある!』という方々は非常に多いのではないだろうか?
ヴァン・ヘイレンは1978年にデビューして、殊ギターに関して言えば、それまでの世界のロックギターの概念を根本から覆してしまった怪物バンドである。
当時は今のようにネットが普及している環境ではなく、誰もがアルバムを聴いて、『これは一体どうやって弾いているんだ?』と、プロのギタリストでさえ頭を抱えたという。
プロ・アマ問わず、世界のロックギタリストを悩ませたエディ・ヴァン・ヘイレン氏のタッピング奏法(当時はライトハンド奏法と呼ばれていたと思う)は、MTV等の隆盛により徐々にその姿を世界に披露することとなる。あのマイケル・ジャクソンでさえ、自身がそれまで傾倒していたR&Bにロックの要素を加えるために、エディ・ヴァン・ヘイレン氏を
起用するなど、彼の影響力は止まることを知らなかった。
そういったプロのギタリストの使用機材や音作り、奏法などを紹介する本が各国にある訳だが、自分も今ままで色々とお世話になった。
日本におけるそれは、
ギターマガジン
ヤングギター
この2誌だろう。
考えるに、前者はさまざまなジャンルのギタリストを取り上げるものだったし、後者はそれこそエディ・ヴァン・ヘイレンのようなハードロック中心のギタリストを多く取り上げている。
自分はエディ・ヴァン・ヘイレンのような超絶技巧派ギタリストに対しては、もちろん敬意は払っていたものの、自分で出来るはずがないとやってみようとさえ思わなかったので、ギターマガジンにお世話になっていた。
ところが、12月号のヤングギター誌は、表紙、特集ともに追悼エディ・ヴァン・ヘイレンということで、早速私も購入…ではなく立ち読みで済ませてしまった(ヤングギターさん、ごめんなさい)。ところが世の中、私のような不届き者は少なく、ヤングギター誌が異例の1万部増刷とのこと。それを取り上げたのが産経新聞ということも注目に値すると思う。
ヤングギター誌の発行部数は6〜8万部とのことだから、果たして1万部の増刷だけで済むのかどうか疑わしいというのが本音だ。
ヤングギター誌も増刷は喜ばしいことだとは思うが、心中複雑に違いない。エディ・ヴァン・ヘイレン氏の奏法をアマチュアにまで広めたのが、他でもないヤングギター誌だったからだ。
天才は自ら動かずとも周りが勝手に動き出す
ことわざではないけれども、私がかつてどこかで聞いたことがあるフレーズだが、まさに
天才エディ・ヴァン・ヘイレン氏が気せずして起こした出来事だったに違いない。
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